2015年9月に、国連持続可能な開発サミットが開催され、我が国を含め世界の先進国と開発途上国がともに取り組むべき目標として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が加盟国の全会一致で採択されました。そこでは、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットが示され、地球上の誰一人取り残さない、普遍的な目標として、取り組むことが宣言されました。
このような世界の動向を背景に、本学は、目標として、「プラネタリーヘルス」の実現に向かって「地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」並びに、「ありたい未来を共に育み、共に創る研究大学」を掲げ、教育、研究、社会貢献活動に取り組んでいます。
しかし、近年、世界は、異常気象がもたらす自然災害、社会構造の根幹をも揺るがす世界規模の感染症拡大など、地球規模の課題に直面しています。
こうした課題解決には、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現は、本学にとって避けることのできない重要かつ喫緊の課題と考えていますし、そうした課題に取り組むこと、すなわちグリーントランスフォーメーション(GX)の推進による社会システム全体の変革に貢献していくことが大学の使命と考えています。
本学は、これまで、SDGs活動を通じて培った「おかやま地域」並びにSDGsパートナーとの信頼関係とネットワーク強化に努めてきました。この間、2021年7月の「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」への参加、 2022年3月には、岡山県内各地の地域特性や地域資源を活用した取組を支援し「地域ならでは」の地方創成・脱炭素社会を実現していくことを目的とした「地域脱炭素創生・岡山コンソーシアム」事務局への参画、同年4月には、地方創成、地域の脱炭素社会を支える人材育成と研究・技術開発の拠点となる「グリーンイノベーションセンター」の新設などに取り組んできましたが、カーボンニュートラル戦略本部がこうした活動のハブとなり、地域との連携の下、 2050年の温室効果ガス排出ゼロ達成に向けた活動、持続可能でレジリエントなキャンパスの実現に貢献していくことを期待しています。
岡山大学カーボンニュートラル戦略本部長 岡山大学長 那須 保友