Research 成瀬 team 私たちの研究室では、メカニカルストレスが人体に及ぼす影響の研究を行っています。メカニカルストレスとは、伸展、圧力、剪断応力、重力などの物理的な刺激のことです。 高血圧の状態では、心臓は圧力の刺激に加え、心筋を引き伸ばす伸展の刺激を受けます。また、ジャンプや着地によって膝関節には強い力が生じ、軟骨細胞は高い圧力を受けます。これらのメカニカルストレスは、心不全や関節軟骨の損傷などの疾患の原因となることが知られています。 私たちは、メカニカルストレスが組織の生理や疾患に及ぼす影響を、培養細胞、実験動物、あるいはヒト被験者を用いて研究しています。私たちの研究成果は、メカニカルストレスが引き起こす疾患の予防や治療に役立つことが期待されています。 1. メカノトランスダクションの分子機構 メカニカルストレスの代表的なものとして、伸展、剪断応力(ズリ応力)、静水圧などがあります。しかし、その受容体に関する知見は非常に限られたものです。私たちは循環器系細胞を用いてメカノトランスダクションの分子機構を探索しています。 Microchannel to apply shear stress 流路幅500μm、高さ50μmのマイクロチャネル中に高シェアーストレスおよび層流を発生させることが可能。このマイクロチャネル内に細胞培養が可能。 2. メカニカルストレスと病態 伸展チャンバーに培養した血管内皮細胞に一軸周期的伸展刺激を与えると、伸展方向とは垂直方向に配向する。 血管の再内層に存在する血管内皮細胞に20%の伸展刺激を加えると、一回の刺激だけで細胞内カルシウムイオンの濃度が上昇する。 3. メカニカル再生医学 我々の体は3次元構造であり、ストレッチ・圧縮刺激が加わっています。そこで、我々は3次元培養細胞にストレッチ・圧縮刺激を加えるシステムを開発しました。また、将来の再生医療を目指し、コラーゲンに置き換わる完全合成の自己集合ペプチドゲルスキャフォールドを開発しています。 自己集合ペプチドゲルの分子構造。交互に並んだ電価による分子間結合によりβシート構造が形成され、ナノファイバー化が起こる。含水率99%以上のゲルを構成する。